趣味の部屋(短歌)

2組の森山茂靖君が、以前、わざわざ我が家にご自分の短歌の原稿を持って来られたのに、つい失念していました。お正月に部屋を整理していたら見つかりました。   森山君、本当に御免なさいネ。早速、ご披露させて頂きます。   とってもお上手な短歌ですヨ。 「朝日歌壇」に入選した森山君の短歌です。   選者は、馬場あき子さん、島田修二さん、佐々木幸綱さん   近藤芳美さんと凄いでしょう。ビックリポンです。

☆ 女子学生学長室に呼ばれたるただ独りPKO反対のビラ配りたると(近藤選) ☆ ただそこに頑として在ることにより幾多の人を救いたる老樹    (佐々木選) ☆ 恋もなく過ぎゆく日々を遠き日の恋歌作る通勤電車        (佐々木選) ☆ 青春の夢逆さまにつるされてドライフラワー匂う病室       (馬場選) ☆ 心洗う涙流して聴く「世情」豪雨を走る新幹線に         (馬場選) ☆ 拭きすさぶ風に落ちるを恐れつつ摘果を急ぐ深夜の林檎      (馬場選) ☆ 人の見し幾億の夢砕け散り空に囁くこの星月夜          (島田選) ☆ 骨髄を冒され死せる友よりの「幸福の木」の育ちたる春      (馬場選) ☆ 「センソウダー、センソウダー」と懲りもなく朝毎叫ぶ雄鶏の声   (馬場選) ☆ ひたすらに働くだけの一生老い母は失語の父を看給う       (近藤選) ☆ 誇らかに生命産みたることを告げ雌鶏たちは朝を闊歩す      (馬場選) ☆ 夏来ればミッドウェーの海深く在るひとを想い沈みゆく老     (馬場選) ☆ 君は吾が帰るべき河時を経てかの湖上する魚らのように      (馬場選) ☆ 翌朝の一斤のパン買い帰る家族養うシンボルとして        (馬場選) ☆ 失語病む父が声あげ泣く部屋の扉を閉めてそっと立ち去る     (馬場選)                                  (佐々木選) 

森山君の短歌